
『日日是好日』
この言葉の始まりは、中国唐の時代にいた雲門文偃という禅師が弟子達に投げかけた質問(”禅問答”というのでしょうか)が始まりと言われています。

過去15日間、自分がどのように・どんな気持ちで過ごしてきたか説明できるかと思うが、明日からの15日間(すなわち未来)、自分にどんなことが起こり、どんな心境で過ごしているかを一言で表してみよ!

えぇーっと…過去15日間、自分がどんな心境で過ごしていたかは答えられるけど、15日以降、すなわち”未来”に自分がどんな心境で過ごしているのかなんて分からないし、答えられないよ…。。。

ふむ…。おぬしは答えられないようだが、未来の自分にどんなことがあっても、日日是好日なり!
※参考文献:安延山 承福禅寺、『今月の禅語』
雲門文偃禅師は、『今日』という日は二度と生きることができないことから、理不尽、不運、不幸に見舞われた日でさえ『尊い日』である、すなわち、幸不幸に関わらず毎日が尊い(よい)日なのだという事を伝えているのだと思います。
※雲門文偃禅師の唱えた『日日是好日』には他の解釈もあるようです…しかし、どの解釈にしても、たった一度の人生と自分自身の本質を磨き、輝かせるためのヒントとなっているようです
日日是好日を生活に取り入れる
- 人生は、幸せなことより辛いことの方が多い
- 生きづらさを感じる社会
- 全世界で予想できない災害、事件が起きている
そんな社会だからこそ、社会や他人に変わってもらうより、自分自身の意識改革や行動を変えて、自分の心や人生が幸せになるように変えていくことの方が実りあるように思います。
『日日是好日』という言葉は、自分自身の意識を変え、幸せで心穏やかな人生を築き上げるために役立つ知恵だと思うのです。
理不尽や不運、不幸に見舞われた際、怒りや悲しみといった感情を抱えもがき苦しみますが、もがき苦しむ己の姿も、苦しみから抜け出そうと努力姿も、苦しみといった感情もそれを味わっている時間も、それ自体が尊い(i.e., 日日是好日)と捉えることで、気持ちの切り替えを図ったり、自己反省を促したりといった意識の持ち方ができるのではないでしょうか。
昨今の世界情勢の変化により、皆さんも『今日』という日も『明日』という日も、当たり前にくるものではない、二度と取り戻すことができない、そのことに気がつかれたのではないでしょうか。
そんな尊い日に訪れた苦しみによって、あなたがもがき苦しんでも、やっぱり『今日』という日が最も尊く、『今日』という日に感じた感謝、怒り、悲しみまでもが、かけがえのないものなのです。
何があっても、何が起きても日日是好日。
そう思って、今という瞬間・瞬間を大切に生きていきたいものです。
かく言う私は、『日日是好日』を理解しつつも、不運や不幸に見舞われれば愚痴をこぼし、怒りをあらわにする未熟者。
不動心を身に付け、『日日是好日』その言葉の意味を真の意味で理解するには、まだまだ時間がかかりそうです。
一日一日を大切にする心を養い、人生の質を高めてくれる映画
『日日是好日』と言えば、樹木希林さんと黒田華さん主演の映画のタイトルを浮かぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの元ネタは、森下典子さん著『日日是好日-「お茶」がおしえてくれた15のしあわせ』というエッセイです。
この映画を見に行ったのですが、この頃はじめて『日日是好日』と言う言葉を知りました。
映画を見に行く前に、その言葉の意味を調べていたものの、その言葉の意味は理解しましたが、映画『日日是好日』を見て、よりクリアにその言葉の意味は何なのかを深く、クリアにイメージすることができました。
- 自分の人生を見直したい
- 1日1日穏やかな日々を送りたい
- 生き方とは、人生とは何か
- なぜ悪いことばかり続くのか、そんな中でどのように生きていけばいいのか
そんなことを考えている方はぜひ観ていただき、『日日是好日』の意味を映像を通して深く体験しながら、今抱えている悩みの答えとなるヒントを掴んでいけるような映画です。
\樹木希林さん、黒木華さん主演、映画「日日是好日」の原作本(森下典子 著)/
暮らしと人生の質を高める禅の教え