人を信頼・信用する基準の重きを『肩書』や『経歴がすごい人』に置いていませんか?
YES、と答えた方は、その思考、危険かもしれません。
本日は、肩書について。
肩書とは
- 医師
- 辯護士
- 社労士
- コンサルタント
- 公務員
- 鑑定士
- 〇〇セラピスト
- 社長
- 執行役員
- お寺の和尚
- 大手企業勤務
- 一流大学・大学院卒 etc.,
皆さんの人生の中で出会う方の中に、上記のような肩書を持った方がおられるかと思います。
こういった方々は、一流難関大学を卒業して国家資格を取得していたり、資格試験に合格し、専門職についていたり、役職に就いていらっしゃることは確かかと思います。
肩書は「その人のことを信用できる証」のように使われていますが、ネットで検索すれば、肩書を持った人の犯罪ニュースが複数件ヒットし、その件数の多さ、少なさは個人価値観で決まりますが、私個人の見解では、意外と多いと感じました。
- そのような肩書を持った人の犯罪
- 『(偽あるいは本物の)肩書』を利用した犯罪(例:下記例示参照)
これらが身近で起きる可能性があると考えると、『この仕事に就いている人は、不正したいり犯罪を犯したりしない』という暗黙の了解的な考え、所謂、『肩書』だけで相手を信用していいのかというと、その思考は『危険な考え』だと私は思います。
先述しましたが、ネットで肩書を持った人のニュースを検索かけてみると感じることができるかもしれませんが、『まさかこんな人がこんな犯罪を?!』というニュースに、いかに人は、人を、情報を疑わず、この先、自分の身に被害が及ぶかもしれないのにもかかわらず、『この仕事に就いている人はこんな犯罪しないだろう』と何も考えない状態で考え信用してしまうのかが分かります。
現代では、少しずつ「肩書」に対しての価値が変わってきており、”肩書だけ”でその人のことを信用するという考えを持った方は少なくなってきたのではないでしょうか。
肩書を利用した悪事
今回、新型コロナウィルスの影響により、事業者に向けて支給される持続化給付金の不正受給のニュースが何軒か発生していたニュースがありました。
持続化給付金の不正受給をした人の中には、「自民党の事務スタッフ」の名刺を持った人が、不正受給を持ちかけていたそうです。(下記、記事参照)
昨年5月にセミナーを開き、持続化給付金の不正受給を指南していたとして、男ら4人が詐欺容疑で逮捕されました。その一人は、自民党の事務所のスタッフをしていて名刺を持っており、名古屋市内でセミナーを開いた際には「グレーゾーンのところをグレーゾーンにしない方法」「自民党という立場を使って、抜け道を知っている」などと言い、不正受給を持ち掛けていたということです。
引用;YahooNews,2021-03-22,『肩書を使ってのだましに注意!以前に、紹介した持続化給付金と思しき勧誘にも続きあり』
その『肩書』、本物か調べていますか?
- 渡された名刺
- 『私は〇〇という職業に就いています』『経歴はXXXです』といった自己紹介
このように自己紹介されても、一体、どれくらいの人が、その情報が本物なのか調べるでしょうか。
会社の営業マン同士での名刺交換や自己紹介などであれば、その情報は本物である可能性は高いですが、お相手の営業マンが裏で水増し請求等してる社員である可能性もあるわけです。
一方、会社の営業マン同士ではなく、何のゆかりもご縁もない見ず知らずの人から、名刺をいただいたり、自己紹介があっても、出会ったその場でその情報が本物なのかを調べることは難しいですし、自宅に帰ってから今日会った人の『肩書』が本物なのかネットで調べたりする人がどれほどいるのかと考えると、それほどいないのではないでしょうか。
お相手の勤める会社や職業内容に対し、興味があったり、こちらも恩恵を受けたいという場合は調べると思いますが、そうでなければ、お相手の情報が本当か否かなど特段気にすることなく、お相手の職業や経歴など聞いても『へぇ~そうなんですね』とその場をなんとなくやり過ごすのが普通のような気がします。
肩書で騙されないためにも
国家資格保持者は肩書が本物か調べることができる
医師や弁護士、会計士など国家資格を持った人は、しかるべき場所に登録されるので、資格保持者を検索することができ、肩書が本物か偽物か確認することができます。
しかし、「大手企業に働く一社員」と言った肩書ですと、第三者かつ正式な団体が認めるようなウェブサイトに載っているということはごく稀で、本当か嘘か分からない肩書になるのではないでしょうか。
名刺も簡単に作れますし、名刺1枚だけでは、その人が本当に資格を持っているのか、その会社に勤めているのか、ましてや人として信用できるのか、全く見えません。
その職業に就いているのは確かであっても、人格が信頼に値する人間か否か、その点についてはネットで調べたところで出てこないですが、周囲の人に聞き込みをすれば何かしらその人の口コミは流れてくることもあるので、そこは時間をかけて周囲からの評判を聞いたり、自分自身が実際にその人と関わる中で調べてみてください。
だいたい3ヶ月ほどお付き合いをしていれば、その人の人となりが分かってくるでしょう。
辛辣ですが、騙される方にも原因はある
『肩書』を使って人を騙すニュースは見聞きしますが、「騙される方も悪い!」と完全にそう思いませんが、少しは『騙される方にも原因がある』とは思います。
特に『お寺のお坊さんだから、犯罪を犯したり、特定の人の嘘の風潮を流したりしないだろう』といった、肩書だけを信じて被害を被った場合は、騙される側に原因があると言えるのではないかと私は思います。
様々な人に騙されてきた私自身、自分は悪くない!と思うものの、何事も因果関係があると考えると、非常に非常に非常に非常に心苦しいですが、ケースによっては『騙される方にも原因はある』と思います。
ホント、やられ損で辛いのですが、厳しいこというと、現実を見据えると、そういうことなのだと思います…。
『騙される方にも原因がある』と言える状況とは?
『騙される方にも原因がある』と言える状況、言えない状況は何でしょうか。
『騙される方にも原因がある』と言える状況とは、何も考えない状態で人を信用する場合です。
例えば、相手が名刺を渡したり、『●●という職業に就いています』、『経歴はXXXです』と自己紹介された言葉を鵜呑みにした場合です。
『鵜呑み』は無意識に行われることが多く、鵜呑みにすることで相手があなたを操作しやすくなるため、都合よく利用されたり、『騙された』ということが発生します。
- 名刺をいただいたから
- 人柄が良かったから
- 友達の紹介だから etc.,
こういった理由で、考えることなく無意識に人を信用することで招いた被害は、(騙す側に責任を取る必要があっても)『騙される方にも原因がある』と言える状況だと思います。
哀しいですよね…人柄がよかったり、友達の紹介だからと人を信用するのは危険だなんて…。
しかし、騙す側も学び、成長しています。
故に手口が巧妙になってきているので、現実を見据え、しっかり情報収集をし、無意識、鵜呑みを辞め、情報収集をし考えるクセをつけることで人を見極める力をつけることで、(多大な)被害を受けることを防ぐことになるのです。
『騙される方にも原因がある』と言えない状況とは?
先述しましたが、騙す側も、学び、成長しています。
その結果、騙す側の手口が知的で巧妙になってきているのですが、これに騙されないよう心掛けていても、情報を手に入れることができなかったり、打てる対策がなかったりということもあります。
情報収集に関しては、特に相手の個人情報(経歴など)や周囲からの評判などは手に入らないこともありますし、専門的知識を要する案件となると、相手は専門知識のプロ、こちらは一般人となると太刀打ちできないこともザラです。
こういった時に、情報収集や勉強の他、想像力を掻き立てながら質問力を磨き、相手に鋭く質問しながら得た回答に一貫性はあるのかないのか、不自然な点はないか等、見極めることで、騙されることを回避することもできますが、それでもできないこともあるのです。
やることやってもどうにもならない場合は、『騙される方にも原因がある』とは言えない状況だと私は思います。
騙されないための防止策
肩書で騙されないための防止策として、以下の点に注意してみると少しは防げるのではないかと思います。
- 人を信じる基準を『肩書』におかないこと
- 肩書を前面に出して会話を進めてくる人には注意
- 相手から見聞きした情報は、自分でも調べる癖をつける(鵜呑みにしない、無意識に信じない)
- 一度立ち止まって考える機会を自分に与える(立ち止まって考える癖づけを)
- 知人からの紹介も当てにしない(信用できるか否かは自分の目で確認して決める)
- 自身の直感、感覚を大事にし、感じた違和感を信じる
個の時代到来。『信用』は目に見える形になる
最近では、ユーチューバーやインスタグラマーといった形で、今まで何の肩書もない一個人が注目されるようになってきました。そこで発信される情報を頼りに、物やサービスを購入するといった視聴者の”意思決定”がなされるようになりました。
そして、現代では、メルカリといった「C to C(消費者対消費者)」ビジネスが普及しており、益々個の存在と信用力が重要な時代になってきており、今後益々CtoCビジネスは加速していくと思います。
しかし、会ったこともない人とのモノや金銭の受け渡しを行うには、「個の信用力」なくしての成功は難しいかと思います。
メルカリのようなCtoCビジネスが普及するために重要になってくるのが「個の信用力」だと思いますが、そんな時、「肩書」だけでは、その人がどれほど信用できる人なのかは見たり測ったりすることはできないですよね。
メルカリを使ったことがある方は分かるかと思いますが、メルカリでは、出品者個人の信用度が評価として見えるのが特徴ですが、メルカリの個人評価の「信用価値」は、メルカリ内部でしか効力を発揮しません。
しかし、メルカリの個人評価のように、個の信用力を目で見たり、測ったりできるようになる時代がくるのはもうすぐなのかなと思います。
その点を踏まえて、次回、トークンエコノミーやブロックチェーン技術についても記事を増やしていきたいと思います。
今回のブログから話がそれてしまいましたが、いつの日か、「肩書」だけで人を信用する人は益々減り、「個」の信頼度が目に見える形となり、それを持って誰を信用できるのか・できないのかがクリアになっていくかと思います。
それまでは、本当にその人が信用できる人なのか、自分の目と耳で情報を拾ったり確認するといった手間をかけながら、人を信用して行動に移していく他なさそうですね…。