皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
結艸庵(@yuisoan2020)です。

『日日是好日』
そもそもこの言葉の始まりは、中国唐の時代にいた雲門文偃禅師の言葉と言われています。
既に映画を観ている方はご存知かと思いますが、この言葉の意味は何でしょうか。
日日是好日:雲門文偃うんもんぶんえん禅師の言葉
「日日是好日」という言葉が誕生した経緯
この言葉が生まれた背景には、雲門禅師は、弟子達に投げかけたひとつの質問にあります。
雲門禅師は弟子に「今日より前の15日間の事はともかく、未来の15日間、そなたはどんな心境で過ごしているか、一言で表してみよ」と尋ねたそうです。
その質問に対し弟子達は困惑しました。
過去15日間自分がどう過ごしどんな心境だったかは答えられるけれど、15日以降すなわち”未来”に自分自身がどんな気持ちで過ごしているかなど分かるはずもなく、答えることができなかったからです。
困惑している弟子達を前に、雲門禅師は自ら『日日是好日(毎日がいい日)』と伝えたそうです。

15日前のことはともかく、15日以降のそなたの心境を一言であらわしてみよ

えーっと…。過去15日間、自分がどんな心境で過ごしていたかは答えられるけど、15日以降、すなわち”未来”に自分がどんな心境で過ごしているのかなんてこたえられないよ…

日日是好日なり!
参考:安延山 承福禅寺、『今月の禅語』
日々大切に生きる
”毎日がいい日”となれば幸せですが、いつの時代も、幸せは儚く不運や不幸に見舞われることの方が多いもの。
雲門禅師は、”ついてる”だとか”楽しい”だとか”良い”とか”悪い”といったものさしで、”毎日がいい日”と唱えたのではなく、不運や不幸のある日でも、明日も同じく迎えることができるか分からぬ”今日”という日が最も尊くかけがえのない日であるという意味を込めて『日日是好日(毎日がいい日)』と唱えているのです。
禅は、過去でも未来でもなく”今”を生きることにあり、『日日是好日』という言葉も”今”を大切にする言葉なのです。
不運や不幸に見舞われれば、とても辛く苦しいもの。
その渦中にいるときは、状況を受け入れ難く、怒りや悲しみの感情を抱えたままもがいたり、何か対策を考えたり、そういった行動や感情自体が”尊い”ことなのだと思います。
昨今の世界情勢を見れば、”今日”という日(或いは”今”という瞬間)が最も尊く、”今日”という日に感じた感謝や怒り悲しみまでもが、かけがえのないものであるということが実感できますね。
”明日”という日は当たり前にくるものではない。今日という日は二度と取り戻すことはできない。
苦しみの中にいても、今日という日は”いい日”なのです。
何があっても、何が起きても日日是好日。その瞬間を生きていきたいものですね。
かく言う私は、不運や不幸に見舞われれば、愚痴をこぼし、怒りをあらわにする未熟者。
不動心を身に付けるまで、まだまだ時間がかかりそうです。
一日一日を大切にする心を養える映画
樹木希林さんと黒田華さんご出演の映画『日日是好日』をご覧になられたことはありますか?
\樹木希林さん、黒木華さん主演、映画「日日是好日」の原作。森下典子著/
こちらの元ネタは森下典子さん著『日日是好日-「お茶」がおしえてくれた15のしあわせ』というエッセイで、これからの後述する『日日是好日』と言う言葉を、日々の暮らしを通して教えてくれる映画です。自分の人生を今一度見直し、1日1日おだやかな日々を送りたい方は、ぜひ観ていただきたいおススメの映画です。
暮らしと人生の質を高める禅の教え