新型コロナウィルスの影響により、テレワーク導入をはじめ、『働き方改革』が急速に進んでいます。
テレワークの必要性と同時に、現在は『選択的週休3日制』の導入について、政界でも議論が高まってきています。
『選択的週休3日制』とは、一体どんなものでしょうか。導入対象者、非対象者はいるのか、既に導入をしている企業はあるのでしょうか。
選択的週休3日制とは
『選択的週休3日制』とは、自分の意志で週休2日や週休3日を選べることができるということ。
しかし、企業によっては、選択的週休3日制を導入することによって、従業員に不利になることも…。
週休3日制のデメリットについてはこの後述べていきます。
現在週休3日制を導入している企業
厚生労働省の調査によると、『週休3日制』を導入している企業は、なんと新型コロナウィルスが蔓延する前の2015年の時点で、全体の8%にも上っていたようです。(※1)
2020年現在、週休3日制を導入している企業はこちら。
ただし週休3日制は、全社員が取得できる企業もあれば、育児や介護をしている従業員に限定されている企業、試験的に導入している企業、があるようです。
週休3日制のデメリット
週休3日制を導入することで、ただ単に休みが増えるのではなく、休みが増える分、給料が減る或いは無給となったり、1日休みが増える分、週4日で仕事を完了させなくてはならないため、1日の労働時間が長くなってしまうということが、週休3日制のデメリットとして挙げられています。
従業員がハッピーになれる週休3日制は、日本マイクロソフトのような、『1週間の内、働く時間が1日減っても、現行の給料が維持される』そんな週休3日制なのではないでしょうか。
週休3日制の問題点
中小企業では導入実現が難しい
大手企業では、給料が減ったり、無給になるとはいえ、週休3日制を導入できやすい環境なのかもしれませんが、中小企業によっては、週休3日制にすることで、売り上げが大きく変わってしまい、会社生命にもかかわってくることもあるので、大規模な業務改善をしない限り、なかなか実現が難しいといった問題点があります。(※2)
そうなると、週休3日制を導入できる企業とできない企業の差が出てきてしまい、休日の取得に不平等にもなりますし、給料が払われるタイプの週休3日制を導入できる人は、副業によってさらに収入を上げることができますし、収入の格差は益々広がる可能性があると思いました。
週休3日制を導入すると給料が減る・労働時間が増加…どこにメリットがあるの?
労働時間が減り且つ給与はそのままとなる週休3日制は、社員の幸福度は上がるかと思います。
しかし、給料を減らされたり、1日の労働時間を増やされた上での週休3日制の導入となると、週休3日制のメリットはどこにあるのかと思ってしまいますよね…。
仮に日本全国のすべての大手・中小零細企業が減給を兼ねて、週休3日制を導入を義務化したとします。給料が減るわけですから、ローンの支払いや子の教育資金、自分の老後資金の為に、休日にどこかで働かなければなりません。その副業先の給料がバイト程度では、正社員として週5働いていた給料に届かなければ、ますます生活は苦しくなるのではないでしょうか。
また、週休3日制を導入するにあたり、1日の労働時間を長くしたとしましょう。
1日の労働時間が増えてしまえば、子供や親の介護の面倒を見れなくなってしまう人も増えたり、保育園や介護施設に超過料金を払うことにもなりかねないといった人も出てくるのではないでしょうか。
週休3日制を導入することにより、給料が減ると更に時間的にも金銭的にも苦しくなる人が増えてくることも考えられますね。
週休3日制を導入するにあたり、減給・無給・1日の労働時間が長くなってしまうならば、週5日勤務で休みたい時は有給休暇を使って休んでいた方がまだましですね。
週休3日制は、つまるところ週7日労働と一緒
また、ABEMATVで、選択的週休3日について議論された際、お笑い芸人のパックンが、週休3日制についてこんなコメントを残していました。
一方で芸人のパックンは、選択的週休3日制に対する政府のもう一つの思惑として、「3日の休みを違う仕事に回して、副業で労働者不足を解消しようとしているんじゃないか。結局、週7日間働く国民を作り上げようとしていると思う」と疑問を呈する。太田氏は「おっしゃる通りだ。地方の中小企業は人材不足なので、そこに副業人材を持ってこようということははっきりと言っている」と答えた。
引用:Yahoo Japan,2021-04-11,ABEMA TIMES「週休3日制は“週7日労働者”を作るため? 若新雄純氏「休日ではなく“自由に使える日”という発想に切り替えていかないと」
「選択的週休3日」を導入することで、給料が減らなければ、ゆっくり休暇を楽しんだりすることができますが、給料が減るとなれば、副業をして補填しなければならなくなり、結局週7日働かざるをえなくなってしまうのかもしれませんね。
まだまだ課題のある週休3日制
選択的週休3日制が導入されたとしても、企業によっては、無給か給料減額であったり、1日の労働時間を長くなることとなり、結果として現状よりも、さらに待遇が悪くなる方もいらっしゃるのではないかと推測します。
私としては、給料を減らさず、1日の労働時間も長くすることなく、週休3日制を導入することができれば、国民の幸福度にも繋がるのではないかと思っています。
年金2,000万円問題や、上がらない給料、税金圧迫による手取り給料が減っている現実と照らし合わせましても、給料減らさない、労働時間長くしない週休3日制の導入をするには、まだまだ課題があるのではないかと思います。
経済が先行き不透明です。
自身の老後も見据え、節約や組織に頼らない自分の力でお金を稼ぐ力(ビットコイン等の暗号資産運用や株の運用含め)が、今後益々必要とされていくのではないかと思います。
※1参照元、ITビジネスオンライン,2017‐03-29,「ファミマ、「週休3日」導入を検討」
※2参照元:株式会社夢テクノロジー、2020‐09-04,「週休3日制を導入する企業が増加|よくある疑問4つと導入のメリット3選」