人生山あり谷あり。
皆さまもこれまでに辛いご経験をされてきたのではないでしょうか。
辛い経験の真っただ中にいたあの時から、どれくらい年月が経ちましたか?
時が経っても、心の傷が消えることもなく、失った物は失ったままの方もいるかと思います。
しかし、時が経過した現在、渦中にいた時の苦しみは、和らいできているのではないでしょうか。
明けない夜・降りやまない雨の時にやったこと
人によって、辛いことへの心の耐性は違います。
極端な例ですが、消しゴムひとつ無くしただけで、この世の終わりのように感じる方もいますし、少し落ち込んで段々気にしなくなる人もいますし、そもそも悩まずに『ま、いいや』と終わらせてしまう方もいるのです。
十人十色と言えど、その人にとって”どん底”に落ちてしまった人は、苦しい気持ちのまま、真っ暗なトンネルの中を歩き続けるのです。
私自身、随分昔の話ですが、深い苦しみの底にいたことがありました。
結果的に、長い年月を経た現在は落ち着いていますが、当時はまさに『明けない夜はある』という状態でした。
そんな苦しみの渦中にいる時、どう過ごしていたのかというと、お酒を飲んだり、ずっと寝てたり、起きていれば12時間以上、毎日泣き続けていましたし、お風呂も1ヶ月近く入りませんでした。
しばらくして精神科にも通いました。
頭がボーっとしてしまったり、怒ってしまったり、泣いたりとありましたが、思考は常にネガティブに囚われていました。
私が”明けない夜”にできたことはこれくらい(ネガティブになることだけ)でした。
明けない夜に前向きな行動はできない
元気になる方法として、パッとあがってくるのが、下記のような行動かと思います。
- 美味しい物を食べに行ったり
- 映画を見に行ったり
- カフェに行って気分転換したり
- 家中の物を減らしたり…
『明けない夜』にいる人にとって、こういった前向きな行動は、”ものすごく苦痛なこと”になりうることがあります。
私自身、そんなキラキラしたことをやるのが非常に不快でイライラを感じたり、キラキラしている人達と自分を比較し、自己嫌悪を感じて涙が止まらなくなったりしていました。
前向きになる行動をとって不快な思いをするよりも、 お酒を飲んだり、ずっと寝てたり、お風呂も入らず、12時間以上毎日毎日泣き続けていた方が楽なのです。
まさにこの状態が『明けない夜』の特徴であると私は思っています。
どうやって立ち直ったのかは知らない
正直、あの苦しみの底からどうやって立ち直ったのか分かりません。
少しずつ時間をかけてきたとは思いますが、具体的にどんなことを実践し、立ち直ったのか記憶にありません。
おそらくカウンセリングや薬の効果かとは思うのですが…真相や完治のきっかけが何なのかは分かりません。
おそらく何かのきっかけで、苦しみや悲しみが少しずつ和らいき、自分でできることが増えていったことで、少しずつ回復したのだと思います。
診療前にはお風呂に入るとか、病院の帰りにスタバに寄るだとか、夕飯はずっとパスタを茹でたものだけだったものに、パスタソースをあたため、かけて食べるようになったとか、そんな小さなことを始め、そういった日々をただ重ねていき、ひとつずつ行動の範囲が広がったことで回復に向かっていったのでしょう。
こういった日々の小さいな積み重ねとカウンセリングを通して自尊心を回復し、日々の小さなことに感謝していくことができるようになったり、苦しみの中にいても人助けをする余裕が生まれたり等、少しずつ回復していったのだろうと思います。
それにしても、どん底にいる時にお風呂に入るようになったですとか、パスタソースをあたためてパスタの上にかけて食べるようになったとか、こんな小さなことを積み重ねていくことの大変さ、よくできたなぁと我ながら思います。
回復後も苦しみは続いたし、まさに明けない夜はあるなと…
少しずつではありますが、渦中にいた時よりも苦しみや悲しみは和らいでいきましたが、全くの別件でまた新たな”関わらない方がいい人”と出会い、傷つけられたことが何年も続きました。
まさに『一難去ってまた一難』というように苦しみは続きました。
別件だけれども、何度も苦しみや悲しみは訪れるので回復しても、運勢的にはまさに『明けない夜』でしたね。
正直言えば、2021年のこの1年が、今までの中で一番平和かもしれません。
(※とはいえ、今年も不快なことはありましたが)
どん底から回復してから2021年にたどり着くまでの何十年間も不快な出来事が続いたのです。
苦しみが続く…人生そんなものと私は思っています。
なぜなら、人間の世界は、怨憎会苦だからです。
嫌な人、嫌な出来事に出会ってしまうということから、一生逃れることはできない、という意味です。
\怨憎会苦とは?詳細はこちら/
明けない夜も、降りやまない雨であっても、自分の意識と行動で変えることができます。
そんなことはよく耳にすることですし、その通りだとも思います。
とはいえ、『本物のどん底』に落とされたら、意識と行動を変えてその状況から抜け出す、ということは決して簡単ではないです。
本物のどん底に落とされると、意識・行動も起こせなくなるからです。
中には、現状打破を狙って行動に起こしてもがいても、深みにはまっていく人もいますし、状況が変わらずにどうしたって”夜が明けないまま”の人もいるのです。
どん底に落ちると、光は視えません。
それに、この苦しみからどう立ち直ったらいいのか分かりません。
人生を歩んでいく上で、こういう苦しみがあること、明けない夜も降りやまない雨もあるのだということ、そして今まさにどん底を味わっている人がこの世に何人かいることを、覚えておくことで自分が救われるかもしれませんし、誰かを救うことができるかもしれない…そんな風に思います。
皆さんは、明けない夜・降りやまない雨に晒されたことはありますか?