まだまだ世界情勢も不安定で、マスクを外して旅行できる環境ではありませんが、旅番組やYoutubeなどで地方の観光地を見ながら将来訪れたい場所のリストアップをしています。
先日、フォロワーさんが列車内で釜めしをいただく絵をお描きになられていたのを拝見し、私が絶対に叶えたい夢のひとつ『列車内で釜めしを食べること』を思い出しました。
皆さまも、旅番組で列車内で釜めしを食べる映像を見たことがあるのではないでしょうか。
美しい景色を見ながら、心地よい風に吹かれながら、美味しい釜めしを、大切な人と一緒に食べる…。至福の時だと思いませんか?横にビールがあればなおよろし!!!
この、『列車内で食べることができる釜めし』と言えば、昔からおぎのやさんの『峠のかまめし』が有名。
荻野屋さんは、群馬県の信越本線にある横川駅のすぐそばにあるお店です。
本日は、この「峠の釜めし」の歴史についてお伝えいたします。
「峠の釜めし」と言えば荻野屋さんの歴史
峠の釜めしを販売している荻野屋さんは、明治18年(1885年)群馬県の横川駅(信越本線)の駅構内で誕生しました。当時は、釜めしではなく駅弁としておにぎりを販売していたそうです。(※1)
釜めしを販売することになった背景
釜めしを販売し始めたのは、なんと創業から73年後の昭和33年(1958年)2月1日からだそうです。
前年の1957年(昭和32年)から、荻野屋の4代目社長、高見沢みねじさんが「峠の釜めし」を創案し、約1年かけて販売に至ったそうです。(※2)
釜めしの販売をはじめた理由は、横川駅利用者が少なく、経営も芳しくなかったことから。
横川駅周辺には、高崎や富岡製紙工場、避暑地の軽井沢といった観光地があるのですが、当時、横川駅利用者は少なかったため、経営も芳しくない状況を好転させるべく”お客様に本当に喜ばれる特色のある駅弁”(※2)を目指し、考案されたのが「峠の釜めし」でした。
「峠の釜めし」誕生までの地道な努力がすごい
”お客様に本当に喜ばれる特色のある駅弁”(※2)を作るため、どのように努力したのかというと、当時の社長自ら毎日駅のホームで旅行客ひとりひとりに声をかけ、「お弁当はどんなものがお好きですか?」と聞いて回り、お客様の需要を調査したそうです。
今では、SNSやネットを利用して簡単に需要調査ができますが、駅のホームで毎日旅行客ひとりひとりに声掛けして調査することは大変大きな労力だったと思います。
声掛け調査によって分かったことは、お客様は、”温かくて、家庭的なぬくもりがあり、見た目も楽しいお弁当”を望んでいること。(※3)
その要望を満たすべく作られたのが益子焼の器に入った温かい釜めしでした。
当時の駅弁と言えば、冷えた幕の内弁当が主流の中(※4)、あたたかい荻野屋の釜めしは、とってもめずらしく、蓋をあければ、色とりどりの食材に思わず『わぁ♪』と声を上げてしまうほど楽しく美味しいお弁当だったことと思います。
今でも蓋をあけると飛び出す感動は健在です。
歴史を知ることで、旅行にも付加価値が付く
駅の乗降者が少なく、店舗経営の壁にぶち当たり、頭を悩ませながらも、毎日駅のホームでお客様ひとりひとりに声をかけるという地道な努力をし、「峠の釜めし」が出来上がりヒットするまでに、不安やや苦悩があったと思います。
峠の釜めしの歴史、4代目社長の思いや信念を知って食べるのと、知らないで食べるのとでは、食べる喜びや感動の質が違ってくると私は思います。
私にとって峠の釜めしは、一度は列車の中で、景色を見ながら食べたい憧れ飯。
そんな憧れ飯の歴史を知ることで、釜めしに付加価値が増し、心も身体もあたたかく満たされることと思います。
昨今の世界情勢の変化により、なかなか気軽に旅行ができないのですが、安定してきたらぜひ横川駅本店で購入し、列車の中で憧れ飯を堪能したいと思います。
2022年9月追記:荻野屋のチャレンジ、まだまだ続いてました!!!!
創業当初からの荻野屋さんの発想力、地道な努力、そしてお客様を思う心、実は2022年の現在も続いていたようです!!!
最近では、るろうに剣心といったアニメキャラクターとのコラボ商品を出していた荻野屋さんですが、なんと、釜めしを超える釜めし?商品を出しておられました!!!
釜めしを超える釜めし?
それは、峠の釜めし味のポップコーンなのです!
どうです、この発想!
釜めしを超えるこの発想にアッと驚かさせれ、スーパーで見かけた時は速攻買いしてしまいました!!!
発想も最高ですが、味も最高~!!
ごぼうの味が後からほんのり染み出てくるのですが、大人の味ですね!
私自身、未だ県外を跨ぐ移動ができないため、この商品の販売は嬉しかった!
荻野屋さんのチャレンジと努力が今も続いていることを感じることができたし、何より、かなり面白い形で釜めしを堪能できたその体験に感動できたのですから。
来年こそは、群馬の荻野屋本店で購入し、列車の中で食べる夢を実現させることができますように。
※2,3,4参照元:荻野屋本店公式HP、
他参考記事:WithNews,2017-07-16,「駅弁「誕生」から132年、超素朴だった最初のメニュー 進化の歴史」